つるばぁちゃん
介護士になって最初の勤務先で
つるちゃんというばぁちゃんがいた。
車いすが小さく見えるほど大きい身体。
脳梗塞の後遺症で右半身が麻痺、言葉も不自由だった。
つるちゃんはいつも同じ時間に左腕だけで車いすを
エッコラエッコラと漕ぎ始め、施設の玄関口までたどり着くと
じーーーっと一点を見つめて動かない。
やがて時間になるとクルッと背中を向けて
また車いすをエッコラエッコラと漕ぎ出す。
するといつ現れたのか一人のじいちゃんがつるちゃんの車いすを押している。
つるちゃんの身体の半分ほどの小さなじいちゃん。
そうつるちゃんは毎日同じ時間に面会に来るご主人を待ってたんです。
それも玄関がガラス越しになっているためご主人の姿を確認すると
待ってた素振りを気づかれないように部屋に戻ろうとするのでありました。
つんでれ~~~!笑
しかし漕ぐのが遅いつるちゃんはいつも途中で追いつかれてしまうんだな苦笑
最初はなんでいつも同じ場所にいるのか分からなかったけど
理由を知って心がほんわか~~~
入所すると面会に来られない家族さんが多い中毎日通うつるちゃんのご主人は施設でも有名人でしたよ。
愛されてたんだね~~~。