個性豊かなおばあちゃん達

 これは私が訪問に行っていたころの話。

Eさんは寝たきりで一日2回おむつの交換と食事の介助。

彼女は普段無表情で殆ど喋ることがなく問いかける事に頷く程度。

 

ある日の夕方の訪問時

寒い時期だったので外は真っ暗で家の中も電気がついているのはEさんの部屋のみ

 すると珍しくEさんが食事中、パーキンソンで震える腕をゆっくり挙げたので

「どうかしました?」と尋ねると

「あそこに・・・・」

 

 

「あそこに?」

「あそこに女の子が・・・」

 

ええええええーーー!!!

Eさんの指さす方向はキッチンで居室の灯こそあるけど

薄暗い

 

 

やだよ!こわっ!

しかし利用者さんの話すことを否定も出来ず

 

「誰でしょうね~」と答えましたが内心はドキドキでした。

 

 

その頃はまだ私も勉強不足で

認知症の高齢者に出る症状の一つだと思っていましたが

その後経験を重ねるごとに

もしかしたらあれはレビー小体型認知症だったのかもと思うようになりました。

レビー小体型認知症とは|特徴・症状の改善策・有効な薬など | 認知症ねっと

 

それからもEさんは訪問すると時々震える腕を挙げながら

「女の子が~~~」と指をさしては私を怖がらせてくれました。

 

他の訪問のヘルパーさんは聞いたことがなかったようで

もしかして私が連れてきてる?と当時は思いましたよ。

 

でも一番怖かったのは

笑い顔を見せたことのないEさんが

「ふふ・・」と笑顔をした時。

 

一体何が見えてたんだー!!